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悠建築工房スタッフブログ

『近代建築の母』

[2017.11.17更新]

 

1920年代以降からの建築の新しい様式を提唱した建築家として、日本では2016年に世界遺産に登録された国立西洋美術館を設計した人物として知られるル・コルビュジェ。南仏カップマルタンの休憩小屋《カバノン》で、1965年8月、コルビュジェは家の前に広がる海で泳いでいる最中に心臓麻痺で亡くなりました。近代建築の巨匠と誉れ高いコルビュジェが嫉妬を覚え続けた1軒の邸宅があるのをご存知でしょうか?《E.1027》と呼ばれている南仏カップマルタンの地に立つヴィラですが、 現在公開されている「ル・コルビュジェとアイリーン 追憶のヴィラ」という映画に、その建物に関する知られざる背景となぜコルビュジェがそういう気持ちを抱いていたのかが描かれています。

10月24日から公開していますが、現在、首都圏での上映の為、待ちきれないので映画鑑賞の為に上京しようと試みています。

「近代建築の父」が手がけた数々の名作建築よりも、死ぬ間際まで彼を魅了し続けたなにか特別なものがこの《E.1027》にはあったのでは……

 

コルビュジェの《E.1027》に対する複雑な気持ちが形となって現れたのが「壁画事件」でした。《E.1027》が完成した直後、コルビュジェは許可もなく女性のヌードなどの壁画を8カ所も描いてしまったのです。そして、そのことを知ったグレイは、彼のこの身勝手とも幼稚ともとれる行為を「野蛮」と非難、二人の関係も悪化していき、その後の彼女の活動にも大きく影響を及ぼしていくことになっていくことに……

グレイはコルビュジェが提唱した「近代建築の5原則」に挑み、自分なりのモダニズム建築を完成させたのですが、女ごときが挑戦をするとは、とコルビュジェは怒り狂ったそうです。グレイは特に、「住宅は住むための機械である」というコルビュジェの考えに異議を唱えました。グレイは住まい手の個性にもっと寄り添うという手法により、周囲から好意的な反応が多かったと言われていたそうです。

《E.1027》のことは誰よりも深く愛し評価していた彼ゆえ、自分が関わったのだという痕跡(実は画家でもあった)を残すことで、この家が彼女とのコラボレーション、若しくは自分の作品だと世間に思われたかったのか……そもそも壁画を描くことになにも罪悪感がなかったのかもしれませんが、その真意は明らかになってはいないそうです。

不思議なことに、この事件後もコルビュジェは足しげくこの地へ通い詰め、1952年には《E.1027》のすぐ近くに休憩小屋を建て見守り続け、その13年後の1965年8月、コルビュジェは、《E.1027》のすぐ下の海で溺れて命を落としたのです。

Le-cabanon159[1]

 

『物の価値は、創造の込められた愛の深さで決まる—アイリ-ン・グレイ』

「近代建築の父」がコルビュジェならグレイは『近代建築の母』だったのでしょう……

 

 kinoshita

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